150万の壁とは?【30秒で理解】

150万の壁とは、配偶者の年収が150万円を超えると配偶者特別控除が満額(38万円)から段階的に減り始めるラインのことです。

配偶者の年収が103万円を超えると配偶者控除の対象外になりますが、代わりに配偶者特別控除が適用されます。この配偶者特別控除は年収150万円までは満額の38万円が適用されます。

  • 年収103万〜150万円: 配偶者特別控除 38万円(満額)
  • 年収150万〜201万円: 配偶者特別控除 38万円 → 0円(段階的に減少)

つまり150万の壁は、控除額が減り始める「折り返し地点」です。なお、この控除は納税者本人(扶養する側)の合計所得金額が1,000万円以下の場合に適用されます。

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超えるとどうなる?

150万の壁を超えた場合の影響は以下の通りです。

  • 配偶者特別控除が段階的に減少: 年収150万円で38万円 → 年収201.6万円でゼロになる
  • 配偶者(扶養する側)の税負担が増加: 控除額が減ることで所得税・住民税が増える
  • ただし段階的な変化: 150万円を1万円超えた程度では控除は36万円とほぼ変わらず、手取りが急減することはない

150万の壁は「崖」ではなく「なだらかな坂道」です。超えたからといって一気に損をする壁ではありません。

シミュレーション

年収150万円・160万円・180万円での手取り額を比較します。

年収150万円の場合

年収150万円の手取り内訳
項目独身配偶者あり
年間手取り127.3万円127.3万円
月間手取り10.6万円10.6万円
社会保険料22.2万円22.2万円
所得税0.0万円0.0万円
住民税0.5万円0.5万円
実効税率15.14%15.14%

※ 東京都在住・30歳・ボーナスなしで試算。概算値のため実際とは異なります。

配偶者特別控除は満額の38万円が適用される上限ラインです。

年収160万円の場合

年収160万円の手取り内訳
項目独身配偶者あり
年間手取り135.9万円135.9万円
月間手取り11.3万円11.3万円
社会保険料23.6万円23.6万円
所得税0.0万円0.0万円
住民税0.5万円0.5万円
実効税率15.07%15.07%

※ 東京都在住・30歳・ボーナスなしで試算。概算値のため実際とは異なります。

150万円を超えたことで控除額が減少しますが、収入増のメリットの方が大きくなります。

年収180万円の場合

年収180万円の手取り内訳
項目独身配偶者あり
年間手取り152.8万円153.1万円
月間手取り12.7万円12.8万円
社会保険料26.4万円26.4万円
所得税0.0万円0.0万円
住民税0.8万円0.5万円
実効税率15.13%14.97%

※ 東京都在住・30歳・ボーナスなしで試算。概算値のため実際とは異なります。

控除額はさらに減少しますが、本人の手取りは年収に応じて増加します。

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2026年の制度変更について

2025年以降、配偶者控除・配偶者特別控除の制度見直しが議論されています。配偶者特別控除の満額適用上限(現行150万円)の引き上げや、年収の壁を意識せず働ける制度設計の検討が進んでいます。

制度変更が行われた場合、150万の壁の基準額が変わる可能性があります。最新の情報は国税庁の公式サイトで確認してください。

よくある誤解

「150万を超えると控除がゼロになる?」

いいえ。控除がゼロになるのは年収約201.6万円です。150万円を超えると段階的に減少するだけで、いきなりゼロにはなりません。たとえば年収160万円では控除額は約31万円、年収180万円でも約11万円が残ります。

「自分(本人)の税金が増える?」

150万の壁で影響を受けるのは配偶者(扶養する側)の税金です。本人の所得税や社会保険料には直接影響しません。本人の税負担は103万円の壁(所得税)や130万円の壁(社会保険)で変わります。

「社会保険料に影響する?」

150万の壁は税制上の控除に関するラインであり、社会保険とは無関係です。社会保険料の負担が発生するのは106万円の壁(大企業の場合)や130万円の壁です。

損しない働き方

パターン1: 150万円以内に抑える(フル控除を維持)

配偶者特別控除を満額で受けたい場合は、年収150万円以内に抑えるのが有効です。月収約12.5万円が目安になります。103万〜150万円の範囲は控除が満額で受けられるため、この範囲で収入を増やすのは合理的な選択です。

パターン2: 201万円以上を目指す(控除なしでも手取り増)

控除がゼロになる201万円以上を目指す方法もあります。控除がなくなっても年収が十分に高ければ世帯全体の手取りは増加します。中途半端に150万〜170万円で抑えるよりも、しっかり稼ぐほうが長期的にはメリットが大きいケースもあります。

他の壁との関係

150万の壁は「年収の壁」の中でも見落としがちなラインです。他の壁と合わせて全体像を把握しましょう。

103万の壁(所得税の非課税ライン) 106万の壁(社会保険の適用拡大) 130万の壁(社会保険の扶養ライン) 201万の壁(配偶者特別控除の上限) 年収の壁一覧まとめ

よくある質問(FAQ)

Q. 150万の壁と130万の壁はどちらが重要ですか?

A. 手取りへの影響が大きいのは130万の壁(社会保険料の負担が発生)です。150万の壁は配偶者側の控除が減るだけなので、影響額は比較的小さくなります。優先して意識すべきは130万の壁です。

Q. 配偶者の年収が1,000万円を超えている場合は?

A. 納税者本人の合計所得金額が1,000万円(年収約1,195万円)を超えると、配偶者控除・配偶者特別控除の適用がそもそもありません。この場合、150万の壁を意識する必要はありません。

Q. 150万の壁は世帯主の手取りにいくら影響しますか?

A. 150万円を超えた場合の影響は段階的です。たとえば年収160万円で控除が約7万円減ると、世帯主の所得税・住民税が合計で約2万円程度増えます。年収が上がるほど影響は大きくなりますが、201万円でも最大で約11万円程度の負担増です。

まとめ

注意

本記事の内容は2026年3月時点の制度に基づく一般的な情報提供です。個別の税務判断については税理士等の専門家にご相談ください。制度変更が行われた場合、金額が変わる可能性があります。

  • 150万の壁は配偶者特別控除が満額から減り始める年収ライン
  • 超えても控除は段階的に減少するだけで、急激な手取り減少はない
  • 社会保険の扶養(130万の壁)とは別の基準
  • 150万円以内に抑えるか、201万円以上を目指すかの2つの戦略がある

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