「ボーナスが50万円出た!でも実際の手取りはいくら?」
そんな疑問を持つ方は多いはずです。ボーナス(賞与)は月給とは異なる計算方法で社会保険料・所得税が差し引かれるため、思ったより手取りが少なかった、という経験をした方も少なくないでしょう。
この記事では、ボーナスの手取り計算方法を早見表とシミュレーションでわかりやすく解説します。
あなたの年収・家族構成から正確な手取り額を計算
手取り計算ツールで詳しく計算するボーナスの手取りはいくら?【早見表】
まずは結論から。以下の早見表で、あなたのボーナス額面に近い行を確認してください。
前提条件
- 勤務地: 東京都(協会けんぽ加入)
- 年齢: 40歳未満(介護保険料なし)
- 扶養家族: なし
- 前月給与(税引前): 30万円
- 雇用形態: 一般事業の会社員
| 額面 | 社会保険料 | 所得税 | 手取り目安 |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 約7.4万円 | 約2.6万円 | 約40.0万円 |
| 100万円 | 約14.7万円 | 約5.2万円 | 約80.0万円 |
| 150万円 | 約22.1万円 | 約7.8万円 | 約120万円 |
| 200万円 | 約24.9万円 | 約10.7万円 | 約164万円 |
上記は参考値です。実際の手取り額は、加入している健康保険組合・年齢・扶養人数・前月給与の金額によって異なります。正確な金額は給与明細や勤務先の給与担当部署にご確認ください。
ボーナスの手取り計算方法
ボーナスから引かれるもの
ボーナス(賞与)から差し引かれる項目は、大きく分けて以下の4つです。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税(源泉徴収)
住民税はボーナスから天引きされません。 住民税は前年の所得をもとに計算され、毎月の給与から均等に天引きされます。ボーナス月だけ住民税が増えるわけではないので安心してください(詳しくは後述)。
月給との計算の違い
ボーナスの社会保険料・所得税の計算は、月給とは異なる方式を採用しています。
社会保険料の違い
月給の場合は「標準報酬月額」をもとに保険料を計算しますが、ボーナスは「標準賞与額」(1,000円未満切り捨て)に直接料率をかけて計算します。そのため、ボーナス額に比例して保険料も増えます。
所得税の違い
ボーナスの所得税は、「前月の給与(社会保険料控除後)」をもとに、国税庁が定める「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」から税率を求めて計算します。そのため、前月給与の水準によって税率が変わります。
ボーナスの社会保険料の計算
健康保険料
計算式: 標準賞与額 × 健康保険料率 ÷ 2(本人負担分)
2026年度の東京都(協会けんぽ)の保険料率は 9.98% です。本人負担は半分の 4.99% となります。
計算例(額面100万円の場合)
- 標準賞与額: 1,000,000円(1,000円未満切り捨て)
- 健康保険料: 1,000,000円 × 4.99% = 49,900円
40歳以上65歳未満の方は、これに加えて介護保険料がかかります。2026年度の東京都の介護保険料率は1.60%(本人負担0.80%)です。
厚生年金保険料
計算式: 標準賞与額 × 18.3% ÷ 2(本人負担分)
厚生年金の保険料率は全国一律 18.3% で、本人負担は 9.15% です。
計算例(額面100万円の場合)
- 厚生年金保険料: 1,000,000円 × 9.15% = 91,500円
なお、厚生年金の標準賞与額には 1回あたり150万円 の上限があります。賞与が150万円を超える場合でも、保険料の計算上は150万円として扱われます。
雇用保険料
計算式: 賞与額(税引前) × 0.6%(一般事業の場合)
雇用保険料は標準賞与額ではなく、賞与総額(税引前の額面) に料率をかけて計算します。
計算例(額面100万円の場合)
- 雇用保険料: 1,000,000円 × 0.6% = 6,000円
ボーナスの所得税の計算
ボーナスの所得税は、前月給与をもとにした税率 を使って計算します。計算手順は以下のとおりです。
計算手順
STEP 1: 前月給与から社会保険料を引く
前月の給与(額面)から社会保険料を差し引いた金額を求めます。
例: 前月給与30万円、社会保険料4.5万円 → 30万円 - 4.5万円 = 25.5万円
STEP 2: 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で税率を確認
国税庁が定める算出率の表(扶養人数別)を参照して、前月給与(社会保険料控除後)に応じた税率を確認します。
前月給与(社会保険料控除後)と税率の目安(扶養0人の場合)
| 前月給与(控除後) | 税率 |
|---|---|
| 18.4万円超 24.9万円以下 | 4.084% |
| 24.9万円超 31.7万円以下 | 6.126% |
| 31.7万円超 40.2万円以下 | 8.168% |
| 40.2万円超 53.5万円以下 | 10.210% |
上記は一部の抜粋です。詳細は国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(令和6年分)」の賞与の算出率表をご確認ください。
STEP 3: ボーナスから社会保険料を引いた金額に税率をかける
(ボーナス額面 - 社会保険料合計)× 税率 = 所得税額
計算例(額面100万円、前月給与30万円、扶養0人の場合)
- 社会保険料合計: 49,900円 + 91,500円 + 6,000円 = 147,400円
- 課税対象額: 1,000,000円 - 147,400円 = 852,600円
- 税率: 6.126%(前月給与控除後25.5万円に対応)
- 所得税: 852,600円 × 6.126% = 約52,200円(100円未満切り捨て)
扶養人数による違い
前月給与が同じでも、扶養家族の人数が多いほど税率が低くなります。
前月給与24.9万円超31.7万円以下の場合の税率比較
| 扶養人数 | 税率 |
|---|---|
| 0人 | 6.126% |
| 1人 | 4.084% |
| 2人 | 2.042% |
| 3人 | 0% |
ボーナスから住民税は引かれない
月々の給与明細を見ると「住民税」が引かれていますが、ボーナスから住民税は天引きされません。これはボーナスの手取りを考える上で重要なポイントです。
住民税は次の仕組みで徴収されています。
- 前年1〜12月の所得をもとに税額を計算
- 翌年6月〜翌々年5月の12か月間、毎月の給与から均等に天引き
そのため、ボーナスがいくらでも、住民税の天引き額は毎月変わりません。ボーナスが支給された月の住民税は「いつもどおり」の金額だけが差し引かれます。
住民税が高く感じる月がある場合は、前年の収入が増えたことや、育休・産休明けで課税が再開したことなどが原因として考えられます。
ボーナス手取り 額面別シミュレーション
実際の計算内訳を、額面別に詳しく見ていきましょう。
共通の前提条件
- 東京都・協会けんぽ加入
- 40歳未満(介護保険料なし)
- 扶養家族なし
- 前月給与(税引前)30万円
- 前月給与の社会保険料控除後: 約25.5万円
- 所得税率: 6.126%
額面50万円の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 額面 | 500,000円 |
| 健康保険料(4.99%) | −24,950円 |
| 厚生年金保険料(9.15%) | −45,750円 |
| 雇用保険料(0.6%) | −3,000円 |
| 社会保険料合計 | −73,700円 |
| 所得税(6.126%) | −26,100円 |
| 手取り目安 | 約400,200円 |
額面100万円の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 額面 | 1,000,000円 |
| 健康保険料(4.99%) | −49,900円 |
| 厚生年金保険料(9.15%) | −91,500円 |
| 雇用保険料(0.6%) | −6,000円 |
| 社会保険料合計 | −147,400円 |
| 所得税(6.126%) | −52,200円 |
| 手取り目安 | 約800,400円 |
額面150万円の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 額面 | 1,500,000円 |
| 健康保険料(4.99%) | −74,850円 |
| 厚生年金保険料(9.15%、上限150万円) | −137,250円 |
| 雇用保険料(0.6%) | −9,000円 |
| 社会保険料合計 | −221,100円 |
| 所得税(6.126%) | −78,600円 |
| 手取り目安 | 約1,200,300円 |
厚生年金の標準賞与額は1回あたり150万円が上限です。額面150万円の場合、厚生年金の計算もちょうど上限額をもとに行います。
額面200万円の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 額面 | 2,000,000円 |
| 健康保険料(4.99%) | −99,800円 |
| 厚生年金保険料(9.15%、上限150万円) | −137,250円 |
| 雇用保険料(0.6%) | −12,000円 |
| 社会保険料合計 | −249,050円 |
| 所得税(6.126%) | −107,100円 |
| 手取り目安 | 約1,643,850円 |
額面200万円の場合、厚生年金の計算は上限150万円で行われます。そのため健康保険料との比率が変わり、合計の控除率は額面150万円より低くなります。実際の金額は必ず給与明細でご確認ください。
あなたの条件に合ったより正確な手取り額を知りたい方は、手取り計算ツールをご活用ください。
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手取り計算ツールで詳しく計算するよくある質問(FAQ)
Q1. ボーナスの手取りは額面の何%くらいですか?
一般的な会社員の場合、ボーナスの手取りは**額面の約75〜80%**が目安です。ただし、前月給与が高い・扶養なし・健康保険料率が高い組合に加入しているといった条件では控除額が増え、手取り率が下がる場合があります。また、額面が150万円を超えると厚生年金の上限が適用されるため、高額ほど手取り率が高くなる傾向があります。
Q2. ボーナスの所得税は年末調整で戻ってきますか?
はい、ボーナスで源泉徴収された所得税は、年末調整または確定申告で精算されます。実際の年間所得税額と、給与・ボーナスで源泉徴収された合計額を比較し、差額が還付または追加徴収されます。一般的には還付になるケースが多いです。
Q3. 産休・育休明けのボーナスも社会保険料がかかりますか?
産休・育休中に支給されたボーナスは、育児休業等期間中の社会保険料免除制度の対象となり、一定の条件を満たせば社会保険料が免除されます。ただし、復帰後に支給されたボーナスは通常どおり社会保険料がかかります。詳細は勤務先または社会保険事務所にご確認ください。
Q4. ボーナスが年間573万円を超えたらどうなりますか?
健康保険の標準賞与額には年間573万円の上限があります。同一年度内(4月〜翌3月)のボーナス累計が573万円を超えた場合、超過分には健康保険料がかかりません(厚生年金は1回あたり150万円が上限)。
まとめ
ボーナスの手取り計算のポイントをまとめます。
- ボーナスの手取りは額面の約75〜80%が目安(東京都・40歳未満・扶養なし・前月給与30万円の場合)
- 差し引かれるのは健康保険料・厚生年金・雇用保険料・所得税の4つ
- 住民税はボーナスから引かれない
- 所得税は前月給与をもとに税率が決まる(扶養人数が多いほど税率は低い)
- 厚生年金は1回あたり150万円、健康保険は年間573万円の上限がある
ボーナスの使い道を考える前に、まず正確な手取り額を把握しておきましょう。
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本記事の計算例・早見表はすべて参考値であり、実際の手取り額を保証するものではありません。社会保険料率は都道府県・加入保険組合・年齢によって異なり、所得税率は前月給与・扶養人数によって変わります。正確な金額については、給与明細・勤務先の給与担当部署・税理士等の専門家にご確認ください。本記事の情報は2026年3月時点のものです。法改正等により内容が変わる場合があります。